居酒屋などで「お手塩を下さい」と言っても、えっ? と問い返されることが多く、説明すると「取り皿ですね」と風情のない言葉が返ってきて、しかも大きな皿が出てきてげんなりとさせられることがある。
お手塩も皿には違いないが、その名の通り手の平に塩を盛るような小さな皿である。それを何でも取り皿で済ませてしまう味気なさは気色悪すぎる。
大阪・北浜にある馴染みの工芸ギャラリー「びぎゃら」では、2012年10月10日から22日まで、43人の陶、漆、金工、木竹工、ガラスの作家たちが、思い思いに作ったお手塩の展示会が開かれる。
色、大きさ、形が様々なお手塩が、狭いギャラリーいっぱいに並べられる。今から楽しみである。
びぎゃらのオーナー中澤左江子さんが「子どもの頃、そこのおてしょう取って、と祖母や母が言っていたのを思い出します」と、展示会の案内状に書いているように、お手塩は懐かしい言葉になってしまった。
手塩にかけるという言葉も、小皿に塩を盛って食膳に添えていた室町時代からの風習に由来するという。言葉も手塩にかけたいものである。




















